社労士の鶴木がWebマガジン『くらしごと』でインタビューされました

退職勧奨トラブルを回避するためのポイントとは?(3/5)

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~適切な面談の進め方と記録の残し方~

前回は、違法な退職勧奨と判断される可能性があるケースについてご紹介しました。

今回は、退職勧奨を行う際の「面談の進め方」と「記録の残し方」について解説します。

まず大切なのは、退職勧奨は「話し合い」であるということを忘れないことです。

会社として退職をお願いしたい事情があったとしても、一方的に結論を押し付ける場ではありません。従業員の話にも耳を傾け、お互いの考えを確認しながら進める姿勢が重要です。

面談では、まず会社として退職勧奨を行う理由を、事実に基づいて丁寧に説明しましょう。

例えば、勤務成績や業務遂行状況が理由であれば、「能力がない」といった抽象的な表現ではなく、「〇月以降、このような指導を行ってきました」「改善に向けてこのような支援を行いました」といった具体的な事実を整理して説明することが大切です。

また、面談はできるだけ落ち着いた場所で行い、周囲に聞こえない環境を選びましょう。従業員のプライバシーに配慮することはもちろん、冷静な話し合いができる雰囲気づくりにもつながります。

さらに、一度の面談で結論を急がないことも重要です。

その場で退職届の提出を求めたり、「今日中に返事をしてください」と迫ったりすると、後になって「自由な意思で退職を決めたわけではない」と主張される原因になりかねません。

「ご家族とも相談してみてください」「一度持ち帰って検討してください」と伝え、考える時間を設けることが、結果として円満な解決につながるケースも少なくありません。

そして、忘れてはならないのが面談記録です。

「いつ、誰が、誰と面談を行い、どのような説明をしたのか」「従業員からどのような発言があったのか」をできるだけ具体的に記録しておきましょう。

「退職について説明した」といった簡単なメモだけでは、後から内容を確認できません。面談の経過や主なやり取りを時系列で残しておくことで、万が一トラブルになった際にも、会社の対応を客観的に説明しやすくなります。

また、面談には複数名で対応することも有効です。経営者一人だけでは、「言った・言わない」の問題になることがあります。可能であれば、人事担当者や管理職などに同席してもらい、第三者の視点で内容を確認してもらうと安心です。

退職勧奨は、従業員の人生にも大きく関わる重要な場面です。だからこそ、誠実な説明と丁寧な記録を心掛けることが、会社を守ることにもつながります。

次回は、退職勧奨後の実務対応として、退職届の提出、有給休暇の取扱い、離職票の手続きなど、円満退職につなげるためのポイントについて解説します。

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この記事を書いた人

鶴木貞男のアバター 鶴木貞男 特定社会保険労務士・行政書士
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