社労士の鶴木がWebマガジン『くらしごと』でインタビューされました

退職勧奨トラブルを回避するためのポイントとは?(2/5)

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~違法な退職勧奨と判断されるケース~

前回は、「退職勧奨」と「解雇」の違いについてご説明しました。

退職勧奨は、会社と従業員が話し合いによって退職について合意を目指すものであり、従業員には退職を断る自由があります。

では、どのような場合に退職勧奨が違法と判断されるのでしょうか。

ポイントとなるのは、「従業員の自由な意思で判断できる状況だったかどうか」です。

例えば、退職を断っているにもかかわらず、何日も続けて面談を行ったり、「今日中に退職届を書いてください」と繰り返し迫ったりする行為は、過度な心理的圧力と評価される可能性があります。

また、「辞めなければ給料を下げる」「退職しないなら別の部署へ異動させる」「会社に居場所はない」など、不利益を示唆して退職を促すことも注意が必要です。

もちろん、配置転換や人事異動そのものが違法というわけではありません。しかし、退職させることだけを目的として不利益な取扱いを示唆した場合には、違法な退職勧奨と判断される可能性があります。

さらに気を付けたいのが、面談の回数や時間です。

一度の面談で結論が出なかった場合に、改めて話し合いの場を設けること自体は問題ありません。しかし、毎日のように呼び出したり、長時間にわたり説得を続けたりすると、「退職せざるを得ない状況に追い込まれた」と主張される原因になりかねません。

近年は、面談中のやり取りをスマートフォンで録音しているケースも少なくありません。経営者としては普通に説明しているつもりでも、後から録音を聞くと威圧的な口調に聞こえてしまうこともあります。

だからこそ、感情的な言葉ではなく、事実に基づいて冷静に説明することが大切です。

また、「能力不足だから辞めてください」といった抽象的な説明だけでは、従業員は納得できません。会社として退職をお願いする理由があるのであれば、日頃の指導内容や勤務状況など、客観的な事実を整理したうえで説明する必要があります。

退職勧奨は、「会社の都合を押し付ける場」ではなく、「双方にとってより良い解決策を話し合う場」です。

そのためには、従業員が十分に考える時間を持てるよう配慮し、「一度持ち帰って検討してください」と伝えるくらいの余裕を持つことが、結果としてトラブル防止につながります。

退職勧奨は進め方を一歩間違えると、大きな労務トラブルへ発展する可能性があります。一方で、適切な手順を踏めば、円満な解決につながるケースも少なくありません。

次回は、退職勧奨を行う際に実践したい「面談の進め方」と「記録の残し方」について、実務のポイントをご紹介します。

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この記事を書いた人

鶴木貞男のアバター 鶴木貞男 特定社会保険労務士・行政書士
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