~専門家と連携して「予防できる会社」へ
これまで4回にわたり、労働トラブルが発生した際の初動対応について、「初動対応の重要性」「事実確認」「記録を残すこと」「避けるべきNG行動」をご紹介してきました。
シリーズの最後となる今回は、「労働トラブルを未然に防ぐための仕組みづくり」について考えてみたいと思います。
労働トラブルは、どれだけ注意していても発生する可能性があります。しかし、多くのトラブルは、日頃の労務管理を見直すことでリスクを減らすことができます。
例えば、就業規則が何年も前のままになっていないでしょうか。
雇用契約書や労働条件通知書は、従業員ごとに適切に作成されているでしょうか。
また、時間外労働や年次有給休暇の管理、ハラスメント防止の取り組みなどは、現在の法令に沿った内容になっているでしょうか。
日常業務に追われていると、これらを後回しにしてしまうことも少なくありません。しかし、こうした「普段の備え」が、いざというときに会社を守る大きな力になります。
さらに重要なのは、「相談しやすい職場づくり」です。
従業員が不安や悩みを感じたときに、安心して相談できる環境があれば、小さな問題のうちに解決できる可能性が高まります。
反対に、「相談しても無駄だ」「話しづらい」と感じる職場では、不満が蓄積し、ある日突然、大きなトラブルとして表面化してしまうこともあります。
経営者が普段から従業員とのコミュニケーションを大切にし、話を聞く姿勢を示すことも、労働トラブルの予防につながる大切な取り組みの一つです。
そして、経営者だけですべてを抱え込まないことも大切です。
法律は毎年のように改正され、労務管理を取り巻く環境も変化しています。そのすべてを把握し、適切に対応することは、忙しい経営者にとって決して簡単なことではありません。
だからこそ、日頃から社会保険労務士などの専門家と連携しておくことには大きな意味があります。
トラブルが発生してから相談するよりも、普段から相談できる関係を築いておくことで、法改正への対応や労務管理の見直し、従業員対応などについて気軽に相談できるようになります。その結果、問題が大きくなる前に対策を講じることができ、安心して本業に専念しやすくなるでしょう。
会社を守るために最も大切なのは、「問題が起きてから対応すること」ではなく、「問題が起きにくい会社をつくること」です。
日頃の備えと、困ったときに相談できる専門家の存在は、経営者にとって心強い支えとなります。
まとめ
労働トラブルを完全になくすことは難しいかもしれません。しかし、適切な初動対応と日頃からの予防によって、そのリスクを大きく減らすことはできます。
このシリーズでご紹介した内容が、皆様の会社の労務管理を見直すきっかけとなれば幸いです。
もし、「自社の対応で問題ないだろうか」「就業規則や労務管理を一度見直したい」とお考えでしたら、お気軽にご相談ください。
つるき社労士・行政書士事務所では、北海道内の中小企業・小規模事業者・個人事業主の皆様に寄り添い、労働トラブルの予防から発生後の対応まで、実情に合わせたサポートを行っています。

