【第2回】具体的に何をすればいい?高年齢者労働災害防止の4つの柱
前回のおさらい
前回は、2026年4月から高年齢者の労働災害防止対策が努力義務化されることをお伝えしました。今回は、具体的にどのような対策が求められているのかを解説いたします。
厚生労働省が示す4つの対策の柱
厚生労働大臣が公表した「高年齢者の労働災害防止のための指針」では、事業者が取り組むべき内容として、大きく4つの柱が示されています。
① 安全衛生管理体制の確立
まず、組織として高年齢者対策に取り組む体制を作ることが求められています。具体的には、安全衛生委員会がある事業場では、高年齢者対策を議題として取り上げることです。
小規模事業場で委員会がない場合でも、従業員から意見を聞く機会を設けたり、定期的に職場の安全について話し合う場を持つことが大切です。一人親方や個人事業主の方も、自分自身の安全について意識的に見直す機会を作りましょう。
② 職場環境の改善
高年齢者が安全に働ける環境を整備することが重要です。例えば、以下のような対策が考えられます。
- 照明を明るくする(視力低下への配慮)
- 段差を解消し、つまずきにくくする
- 滑りにくい床材に変更する
- 重量物の取り扱いを減らす工夫(台車の活用など)
- 作業台の高さを調整し、無理な姿勢を避ける
特に小樽や札幌では、冬場の凍結対策として、出入口の融雪マットや滑り止めの設置も効果的です。
③ 高年齢者の健康や体力の状況把握
定期健康診断の結果を活用し、個々の従業員の健康状態を把握することが求められています。また、体力テストや医師との面談を通じて、現在の業務が身体的に無理なく遂行できるかを確認します。
産業医がいない小規模事業場では、地域の産業保健センターや社労士に相談することで、適切なアドバイスを得ることができます。
④ 高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
健康状態や体力に応じて、作業内容や勤務時間を調整することも重要です。例えば、重量物の運搬作業から軽作業への配置転換や、長時間の立ち作業を避けるなどの配慮が考えられます。
「完璧」でなくても大丈夫
これらの対策は、一度にすべてを完璧に実施する必要はありません。できることから少しずつ始めることが大切です。従業員との対話を通じて、現場の声を聞きながら進めていくことをお勧めします。
次回予告
次回は、実務的にどう進めればよいのか、チェックリストを用いた具体的な手順をご紹介いたします。

