【第1回】「指示待ち社員」が増える本当の原因と職場環境の関係
「最近の若い子は、言われたことしかやらなくて……」
経営者や管理職の方から、こんなお悩みをよく耳にします。
でも、ちょっと待ってください。本当に「最近の若者の問題」なのでしょうか?
私が感じた、組織の変化
私は北海道大学をはじめとする国立大学法人で、約27年間にわたり人事労務の仕事に携わってきました。採用・研修の企画から、ハラスメント対応・懲戒案件の処理まで、さまざまな「組織の現場」を見てきました。
その経験の中で、ずっと気になっていたことがあります。
それは、「優秀なのに、なぜか動こうとしない人」が一定数いるという事実です。
能力がないわけではない。やる気がないわけでもない。でも、自分から動かない。上からの指示を待ち続ける。
最初は「本人の問題」だと思っていました。でも、長年の現場経験と、その後の学びを通じて、私の見方は大きく変わりました。
「指示待ち」は、職場が作り出している
結論から言います。
指示待ち社員は、職場環境が育てている ことがほとんどです。
たとえば、こんな職場はありませんか?
- 自分で考えて動いたら「余計なことをするな」と叱られた
- 失敗すると徹底的に責められる空気がある
- 「どうせ言っても変わらない」という諦めが蔓延している
- 頑張っても頑張らなくても、評価が変わらない
こういった環境に長くいると、人は自然と「動かないほうが安全」という学習をします。心理学では「学習性無力感」と呼ばれる状態です。
これは若者だけの話ではありません。どの世代にも起こりうる、組織の構造的な問題です。
「自立型人材」は、育てるものではなく”解放”するもの
私が昨年修了した「自立型人材・組織育成士養成講座」で、最も印象に残った言葉があります。
「人はもともと、自ら考え動く力を持っている」
自立型人材とは、特別な才能を持つ人のことではありません。本来誰もが持っている「自分で考えて動く力」が、のびのびと発揮できる状態にある人のことです。
つまり、組織に必要なのは「人を変えること」ではなく、「人が動きやすい環境を整えること」なのです。
このシリーズでお伝えしたいこと
この5回シリーズでは、自立型人材・組織育成士の視点と、社会保険労務士としての法的知識を組み合わせながら、「人が自然と動き出す職場づくり」 について、実践的にお伝えしていきます。
次回は「自立型人材とは何か〜会社と個人に生まれる3つの変化」をテーマにお届けします。
「うちの職場、大丈夫かな?」と感じた方は、ぜひご相談ください。 法律面(ハード)と「心」(ソフト)の両面から、一緒に考えます。

