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訪問介護事業の古参社員問題【前編】「あの人が辞めたら現場が回らない」

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「あの人が辞めたら現場が回らない」――北海道の介護会社で起きた、静かな組織崩壊

北海道内の地方都市で、
訪問介護事業を営む会社の話です。

従業員数は40名弱。

地域ではそれなりに知られた事業所で、
利用者からの評判も悪くありません。

ただ、社長にはずっと頭から離れない問題がありました。

それは、
“現場を支配している古参職員”の存在です。

今回は、実際の相談ではなく、
よくある経営課題をもとにした架空ケースとして、
この問題を考えてみたいと思います。

目次

「あの人がいないと回らない」

その会社には、
10年近く勤務しているベテランヘルパーがいました。

利用者対応は非常に上手い。

難しい家庭も任せられる。

急な欠員にも対応する。

社長から見ても、
「助けられている」という感覚が強かったそうです。

ただ、問題は別のところにありました。

若手職員への当たりが強い。

LINEでの叱責。

申し送りでの人格否定。

新人がミスをすると、
「だから最近の若い人はダメなんだ」
と周囲に聞こえるように言う。

最初は、
「厳しい人なんだろう」
で済ませていました。

でも、少しずつ空気が変わっていきます。

若手が定着しない

採用しても、
3か月で辞める。

半年で辞める。

理由を聞くと、
表向きは、

「体力的に厳しくて…」

「家庭の事情で…」

と言います。

ただ、本音では違う。

あとから、
退職した職員同士で繋がり、

「毎日怒鳴られる」
「LINEが怖い」
「質問すると馬鹿にされる」

そんな話が出てきます。

しかし、社長は動けません。

なぜなら、
そのベテラン職員が抜けると、
本当に現場が回らないからです。

北海道の地方都市では、
介護職採用は簡単ではありません。

特に冬場は、
移動負担も増えます。

人員補充は簡単ではない。

だから社長は、
見て見ぬふりをしてしまう。

でも私は、
この問題の本質は、
「問題社員」ではないと思っています。

本当の問題は、

“会社が属人化を放置したこと”

です。

「正しい人」が組織を壊すことがある

怖いのは、
こういうケースでは、
本人に悪意がないことです。

むしろ、

「現場を守っている」

という自負が強い。

実際、
頑張ってきた人でもあります。

だから社長も、
簡単には否定できない。

でも、
組織では時々、

“正しい人”
が、
組織を壊すことがあります。

厳しさが、
恐怖に変わる。

責任感が、
支配に変わる。

そして、
周囲が何も言えなくなる。

この状態になると、
会社は静かに壊れ始めます。

多くの会社が間違える初動

こういう時、
経営者は極端に走りやすいです。

急に排除しようとする。

逆に、
完全放置する。

でも、
どちらも危険です。

重要なのは、

「誰が悪いか」

ではなく、

「何が壊れ始めているか」

を見ることです。

このケースで壊れているのは、

・若手育成
・管理者の権限
・現場の心理安全性
・情報共有
・採用力

です。

つまり、
人間関係の問題ではなく、
経営問題なんです。

次回は、
この会社で実際に何が起き始めたのか。

そして、
なぜ“利用者”まで巻き込み始めたのかを書きます。

重要なのは、
感情ではなく、
順番です。

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