「誰が正しいか」ではなく、「会社を守れるか」で考える
前回まで、
北海道の訪問介護会社で起きた、
古参職員による現場支配について書いてきました。
今回は、
社長が最終的に何を優先したのか。
そして、
なぜ“正論”だけで動かなかったのかを書きます。
社長が最初にやったこと
この社長は、
最初かなり感情的になっていました。
「もう辞めてもらうしかない」
「若手が壊れる」
そう考えていたそうです。
ただ、
すぐに排除へ動きませんでした。
まず始めたのは、
“記録を整えること”
です。
・LINE保存
・面談記録
・退職理由整理
・利用者影響確認
・シフト依存分析
を進めた。
これは地味ですが、
非常に重要です。
感情だけで動くと、
後から会社側が説明できなくなるからです。
担当を少しずつ分散した
次に行ったのは、
担当利用者の分散でした。
ここが重要です。
多くの会社は、
「本人をどうするか」
だけ考えます。
でも本来は、
“会社が人質になっている状態”
を解除しなければいけません。
利用者との関係が、
完全に個人へ集中すると、
会社は意思決定できなくなります。
だから、
徐々に複数担当制へ変えていった。
すると、
最初は反発も出ます。
ただ、
少しずつ現場空気が変わり始めます。
管理者を守らないと、組織は壊れる
このケースで、
実は一番疲弊していたのは、
管理者でした。
板挟みです。
上からは、
「現場をまとめろ」
現場からは、
「何もわかってない」
こうなると、
管理職が潰れます。
だから私は、
こういうケースでは、
“管理者を孤立させない”
ことが非常に重要だと思っています。
管理者が機能しなくなると、
組織は一気に崩れます。
最後は「辞めさせるか」ではない
結果として、
そのベテラン職員は、
すぐには退職しませんでした。
ただ、
ルールは変わった。
権限も整理された。
LINE運用も変えた。
そして、
「会社としてどう動くか」
を明確にした。
すると、
現場の空気が少しずつ変わり始めます。
私は、
こういう問題で重要なのは、
「誰が正しいか」
ではないと思っています。
重要なのは、
“会社を守れるか”
です。
法律だけでは解決できない理由
法律上、
ハラスメント対応は重要です。
ただ、
中小企業の現場では、
法律だけで解決できない問題
が本当に多い。
なぜなら、
・人手不足
・採用難
・地域特性
・顧客依存
・感情
・功労者問題
が全部絡むからです。
だからこそ、
順番が大事なんです。
私なら、最初にここを見ます
このケースなら、
私はまず次を確認します。
・誰に業務が集中しているか
・若手が辞める理由
・管理者が機能しているか
・利用者が個人依存していないか
・ルールより空気が強くなっていないか
ここを整理せずに、
感情で動くと、
会社はさらに壊れます。
まとめ
中小企業では、
「優秀だけど壊している人」
が時々います。
そして、
経営者ほど、
その人を切れません。
助けられてきた記憶があるからです。
でも、
放置すると、
組織は静かに崩れます。
大切なのは、
短期・中期・長期を分けて考えること。
感情ではなく、
順番で考えること。
そして、
誰が正しいかではなく、
会社を守れるかで考えること。
私は、
これが最初の一手だと思っています。
※本記事は、実際の相談事例ではなく、複数の中小企業課題をもとに構成した架空ケースです。

