第2回 なぜ今、ハラスメント研修が必要なのか?~「うちの会社は大丈夫」が一番危ない~
近年、「ハラスメント」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、「うちは従業員が数人しかいないから関係ない」「家族のような職場だから問題は起きない」と考えている経営者の方も少なくありません。
実は、そのような職場ほど注意が必要です。
ハラスメントは、大企業だけで起こるものではありません。むしろ、従業員同士の距離が近い小規模な職場では、何気ない言動が相手を深く傷つけたり、相談しづらい雰囲気が生まれたりすることがあります。
例えば、「冗談のつもりで言った一言」「昔からの慣習だから」「仕事を教えるために厳しく指導しただけ」と思っていても、受け手が精神的な苦痛を感じれば、ハラスメントと受け取られる可能性があります。もちろん、適切な指導まで萎縮する必要はありませんが、「指導」と「ハラスメント」の違いを理解しておくことは、管理職だけでなく全ての従業員にとって大切です。
また、現在は企業に対してハラスメント防止の取り組みが求められる時代になっています。万が一、職場でハラスメントが発生した場合、「加害者だけの問題」ではなく、「会社としてどのような防止策を講じていたのか」が問われることもあります。
だからこそ重要なのが、社内研修です。
ハラスメント研修の目的は、「してはいけないこと」を覚えることだけではありません。お互いを尊重しながら働くためのコミュニケーションや、困ったときに相談しやすい職場づくりについて共通認識を持つことが、本来の目的です。
実際に研修を受けた企業からは、「普段は話しにくいテーマについて話し合うきっかけになった」「管理職と一般社員がお互いの考え方を知ることができた」といった声も多く聞かれます。
私自身、北海道大学で人事・労務業務に携わる中で、ハラスメントに関する相談や対応に数多く関わってきました。その経験から強く感じるのは、多くのケースが「最初から悪意があった」のではなく、「知識不足」や「認識の違い」が原因だったということです。
だからこそ、研修には大きな意味があります。正しい知識を身につけ、お互いの価値観を尊重する意識を育てることで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。
職場の雰囲気が良くなれば、従業員の定着率や働きやすさの向上にもつながります。ハラスメント対策は、単なるリスク管理ではなく、「安心して働ける職場づくり」の第一歩なのです。
次回は、ハラスメント対策と並んで重要な「労務管理研修」についてご紹介します。「知らなかった」では済まされない労務管理の基本と、経営者・管理職が押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。
つるき社労士・行政書士事務所では、法律の説明だけでは終わらない、現場で実践しやすいハラスメント防止研修を実施しております。北海道の中小企業・小規模事業者の皆様に合わせた内容をご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。

