第1回 社内研修は「コスト」ではなく「会社を守る投資」
「従業員が少ない会社だから研修は必要ない」「忙しくて研修をしている時間がない」。北海道の中小企業や個人事業主の経営者の方から、このようなお話を伺うことがあります。
しかし、実際には従業員数が少ない会社ほど、一人ひとりの影響力が大きく、職場でのトラブルが経営に与えるダメージも大きくなります。そのため、社内研修は大企業だけのものではなく、小規模な会社だからこそ重要な経営課題の一つといえるでしょう。
例えば、何気ない一言がハラスメントと受け取られたり、労働時間や休憩時間の取り扱いを誤ってしまったりするケースは決して珍しくありません。「知らなかった」「今まで問題にならなかった」という理由では解決できず、従業員との信頼関係が損なわれたり、場合によっては労働基準監督署への相談や、企業の信用低下につながる可能性もあります。
一方で、定期的な社内研修を実施している会社では、従業員が共通のルールや考え方を理解し、お互いに気持ちよく働ける職場づくりが進みます。ハラスメントを未然に防止できるだけでなく、労務管理に対する意識も高まり、職場全体のコミュニケーションが円滑になるという効果も期待できます。
社内研修というと、「講師を呼んで長時間勉強するもの」というイメージを持たれる方もいらっしゃいます。しかし、必ずしも大がかりなものである必要はありません。会社の規模に合わせて、60~90分程度の研修を年に数回実施するだけでも、従業員の意識は大きく変わります。
私自身、約30年にわたり北海道大学で人事・労務業務に携わり、職員研修の企画・運営やハラスメント対応、労務トラブルへの対応に数多く関わってきました。その経験から感じるのは、「問題が起きてから対応するよりも、問題が起きない職場づくりを行う方が、会社にとっても従業員にとっても大きなメリットがある」ということです。
社内研修は決して「コスト」ではありません。会社を守り、従業員が安心して働ける環境をつくるための「未来への投資」です。特に人材確保が課題となっている北海道では、「働きやすい職場」であることが、採用や定着にも大きく影響する時代になっています。
次回は、「なぜ今、ハラスメント研修がこれほど重要視されているのか」について、近年の法改正や企業に求められる対応も交えながら、分かりやすくご紹介します。
つるき社労士・行政書士事務所では、北海道の中小企業・小規模事業者向けに、ハラスメント対策や労務管理をテーマとした社内研修を承っております。会社の規模や業種に合わせた内容で実施しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

