~相談しやすい職場をつくるには~
これまでの3回では、ハラスメントの基礎知識や、日頃のコミュニケーションの大切さについてお伝えしてきました。
しかし、どれだけ予防に取り組んでいても、職場で悩みやトラブルが起きる可能性をゼロにすることはできません。
だからこそ重要なのが、「相談しやすい職場」をつくることです。
特に北海道の中小企業や個人事業主では、従業員数が少ないため、「相談するほどのことではない」「社長に迷惑をかけたくない」と、一人で悩みを抱え込んでしまうケースも少なくありません。
経営者としては、「何かあれば相談してほしい」と思っていても、その気持ちが従業員に伝わっていなければ、相談にはつながりません。
まず大切なのは、日頃から「困ったことがあれば遠慮なく相談してください」と繰り返し伝えることです。
そして、実際に相談があったときには、すぐに結論を出そうとせず、最後まで話を聞く姿勢を持つことが重要です。
相談を受けると、「それは誤解じゃない?」「相手にも事情があるよ」と言いたくなることもあるでしょう。しかし、最初から否定したり評価したりすると、相談した従業員は「話さなければよかった」と感じてしまいます。
まずは、「話してくれてありがとう」「つらい思いをしましたね」と受け止め、事実関係を丁寧に確認することが大切です。
また、相談内容については、必要な範囲を除き、むやみに他の従業員へ話さないよう配慮しなければなりません。
「秘密は守られる」という安心感があってこそ、従業員は安心して相談できます。
一方で、相談を受けた経営者だけで判断しようとしないことも重要です。
ハラスメントかどうかは、当事者双方の話や周囲の状況などを総合的に確認して判断する必要があります。一方の話だけを聞いて結論を出してしまうと、かえって問題が大きくなることもあります。
また、相談を受けた後は、「相談を受けて終わり」ではありません。
状況が改善しているか、相談した従業員が安心して働けているかを継続的に確認することも大切です。小さな声掛けや定期的な面談によって、安心感につながることもあります。
従業員数が少ない会社では、専用の相談窓口を設けることが難しい場合もあるでしょう。そのような場合には、社会保険労務士など外部の専門家を相談窓口として活用する方法もあります。
第三者が関わることで、相談しやすくなるだけでなく、経営者にとっても客観的な視点からアドバイスを受けられるというメリットがあります。
相談しやすい職場は、ハラスメント対策だけでなく、離職防止や職場の信頼関係づくりにもつながります。
「何かあれば相談できる」「話を聞いてもらえる」と従業員が感じられる環境を整えることは、安心して働ける職場づくりの大切な土台となるのです。
次回はいよいよ最終回です。「今日からできる職場改善の第一歩」と題し、経営者がすぐに取り組めるハラスメント対策のポイントをまとめてご紹介します。

