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企業研修講師が語る!労務トラブルを防ぐ職場環境の作り方(その2)
職場の「小さな火種」が大きな炎に変わる前に
労務トラブルが発生してしまうと、その影響は経営者や従業員だけでなく、会社全体に大きなダメージを与える可能性があります。実は、この油断こそがトラブルを深刻化させるの一つです。
崩壊した小さな問題が大きなリスク
例えば、ハラスメントが疑われる場合や、労働条件に対するに不満を放置しているとどうなるでしょうか。従業員のモチベーションの低下 、離職率の上昇、行政機関の介入に繋がるケースも少ないです。
特に以下のような状況では、リスクがございます:
- ハラスメント被害者が声を上げられずに精神的不調に陥る。
- 労働条件に関する認識の違いから従業員がSNS上で不満を表明し、企業の評判が悪化する。
- 法令違反が表面化し、労働基準監督署からの指導や罰則を受ける。
これらの事例に気づいたときに、「他の企業に比べ自分のところは大丈夫」など他人事のように思われることもあるかもしれませんが、リソースの限られた中小企業ほど、一つの問題が経営的に考えるとダメージは大きくなりやすいです。
問題解決にかかる「見えないコスト」
労務トラブルが発生した場合、解決には多大な時間と労力が必要になります。
問題の原因を調査し、当事者調整を行い、再発防止策を実施するまで、通常の業務に支障が出ますし、さらに、訴訟となると弁護士への報酬、従業員への補償やその他の金銭が発生することもあります。
また、これらの状況を目にした他の従業員が、「この会社で働き続けていることに不安を感じる」と考えられる可能性も十分にあります。
「そんなことが自分の会社で起こることはないだろう」と思われる経営者の方もいるとは思いますが、実際に問題が顕在化する前に、何をすべきか知っておくことは、企業の健全な成長を支えるための重要な一歩です。