第3回:採用でよくある失敗とその回避法:北海道の事例から学ぶ
応募が来るのに定着しない、典型的な“落とし穴”
北海道の中小零細企業が採用活動を行うとき、「応募は来るが定着しない」という失敗パターンが目立ちます。採用段階では応募者数が一定数確保できたにもかかわらず、数ヶ月以内に辞めてしまう。この背景には、仕事内容・残業・勤務地・社風などの情報開示が不十分であることがあります。電車通勤が難しい、冬季の移動が大変といった北海道ならではの実情を事前に伝えず、入社後にギャップが発覚すると、早期離職につながりやすいのです。
求人を出しても反応が少ないときのチェックポイント
もう一つの典型的な失敗は、「求人を出してもそもそも反響が少ない」というものです。これは、募集要項や訴求内容に魅力が伝わっていない、または応募者ターゲットが明確でないケースが多いです。例えば「どんな働き方ができるか」「どんなキャリアが描けるか」「地域ならではの生活・働き方の魅力」が求人票に反映されていない企業では、競合他社よりも応募者の関心を引きにくくなります。さらに、北海道では通勤・地域移動・冬季気候・U・Iターンといったキーワードが影響するため、これらを逆手にとった『働きやすさ・暮らしやすさ』の提示が応募数増加に有効です。
社労士が実務で指導する回避策
社会保険労務士の立場から言えば、採用失敗を防ぐには「採用から定着までの流れを設計し、実行できる体制を整える」ことがポイントです。具体的には、求人作成時に自社の強み・働き方・成長機会・地域の魅力を明らかにし、入社後のオンボーディング・メンター制度・定期フォロー・評価制度を準備すること。また、北海道の特性(例:雪道・通勤時間・U・Iターン者の生活支援)を踏まえ、募集段階でそれらを提示することでミスマッチを未然に防げます。次回は、こうした注意点を乗り越えた「成功事例」を紹介します。

