第1回:北海道で人が集まらない理由とは?中小零細企業の採用課題
北海道の中小企業が抱える「人が集まらない」現状
北海道の中小零細企業では、「求人を出しても人が集まらない」「応募があっても定着しない」という声が多く聞かれます。人口減少や若年層の都市部への流出、地域密着型企業の知名度不足、そして冬季の通勤・生活事情といった地域特性が、採用をさらに難しくしています。例えば、人口が密集していない地方部では、通勤交通が不便であったり、日常生活の利便性が都心と比べて劣るという点が応募のハードルになりがちです。
定着率が低い背景にある「採用=終わり」思考
「採用して終わり」という構図が、小規模企業の採用難を加速させています。応募を獲得できても、入社後に辞めてしまうケースが少なくありません。その主な原因として、採用段階で提示されていた仕事内容や勤務条件と、実際の職場環境とのギャップがあります。企業側が「募集を出せば応募が来る」と考え、入社後の教育・フォロー体制や働き方・職場風土の整備を後回しにしてしまうと、期待とのズレから早期離職につながってしまうのです。
社会保険労務士が捉える“不可欠な視点”
社会保険労務士という立場から言うと、採用活動を単発の“求人掲載”だけで終わらせてはいけません。採用から入社、そして定着・活躍までを見据えた「人材戦略」の一部と捉える必要があります。具体的には、自社の「求めたい人材像」を明確化し、それに見合った働き方や成長環境、地域ならではの魅力を求人票に反映させること。さらに、北海道特有の条件(通勤・移住・寒冷・冬季負荷)を考慮し、募集方法や働き方の設計を工夫することが求められます。
本連載では、北海道の中小零細企業が抱える採用課題を“気候・地理・人口構造”など地域特性の観点から整理し、社労士視点で「今すぐ取り組める採用戦略」を五回にわたりご紹介します。まずは、なぜ“応募が集まらない”のか、そして“採用しても定着しない”のか、その根本原因を北海道企業の視点から丁寧に見ていきましょう。

