内閣府・厚生労働省・HECC主催セミナー「労務・人事の基本の“き”」に登壇しました

「突然の退職トラブル」小樽の社労士が教える予防策とは?(その2)

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「突然の退職トラブル」小樽の社労士が教える予防策とは?

「突然辞める社員」の裏側にある本当のサイン

退職の意向を一切伝えず、ある日を境に連絡が途絶える。あるいは、口頭で「辞めます」とだけ言って、書類も引き継ぎも放置されたまま…。こうした退職トラブルは、実はどの会社でも起こり得るものです。

「うちは家族的な雰囲気でやってるから大丈夫」
「これまで何十年もそんなことなかった」
――そう思っていた経営者の方ほど、最初の一件で強いショックを受けられます。

特に、中小企業や零細企業では、社員ひとりひとりの存在感が大きく、「たった一人の離職」が職場全体に与える影響は計り知れません。残された社員のモチベーション低下、業務の偏り、顧客対応の質の低下…。一つのピースが欠けることで、全体の歯車が狂い出すのです。

トラブルは「起きてから対処」では遅い

私はこれまで、北海道内の大学や高専、大学病院などで長年人事・労務の現場に携わってきました。そこでも感じたのは、トラブルの芽は常に“静かに、じわじわと”忍び寄ってくるということです。

「なんか最近、あの社員の様子がおかしいな」と感じながらも、目の前の業務が忙しくて後回しにしてしまう…。
「言いたいことがあっても、辞めるほどじゃないだろう」と油断してしまう…。
そして、ある朝、デスクが空になっている。

退職は、社員の人生において大きな決断です。だからこそ、突然の退職の裏には、我慢の限界を超えた何かがあったと考えるべきなのです。

私自身、こうしたケースに関する相談を受けるたびに、「もっと早く相談してくれていたら」と感じることがあります。
問題が表面化してからでは、できることが限られてしまうのです。

経営者も、社員も、誰も得をしない「辞め方」

さらに厄介なのが、突然辞めていった社員自身も、「後味の悪さ」を抱えているケースが多いという点です。
「どうせ言っても聞いてくれない」
「退職を切り出したら責められる」
「揉めるくらいならバックレた方がラク」
――そんな思いから黙って辞めてしまう人もいます。

ですが、辞めた本人も、次の職場でうまくいくとは限りません。
前職をどう辞めたかが、次の職場での信用にも関わってきますし、何より、自分自身の中に「しこり」を残したままでは前に進めません。

このように、突然の退職は、会社にも、辞めた本人にも、残された社員にも良いことがないのです。

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